認知症ケア専門士
認知症ケア専門士とは?
認知症ケア専門士とは、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する資格で、認知症介護従事者の自己研鑚および生涯学習の機会提供を目的に設けられた【認知症ケア専門士】のほか、ケアチームにおけるリーダーや,地域のアドバイザーとして活躍することが期待できる専門士の養成を目的に創設された【認知症ケア上級専門士】や、認知症ケアの実務経験が3年以下の方で質の高い介護人材の輩出に繋げることを目的とした【認知症ケア准専門士】があります。
その他情報
難易度は? | : | 認知症ケア上級専門士、認知症ケア専門士★★☆☆☆(やや易しい)。 認知症ケア准専門士★☆☆☆☆(やさしい)。 近年合格率は、45.7%ほど。 【認知症ケア専門士】、【認知症ケア准専門士】共に4分野全て7割以上の正答となると難しく感じるかもしれませんが、認定テキストをしっかりと理解し、問題集を解くことを繰り返すことで十分合格できる資格です。各分野5年以内に全て合格で【認知症ケア専門士】は1次試験合格、【認知症ケア准専門士】は合格となります。 |
就職は? | : | 介護保険施設やグループホーム、病院、居宅介護支援事業所、社会福祉協議会、地域包括支援センターなど。 介護福祉士や介護支援専門員、介護職員、看護師などが資格を取得しています。 |
仕事内容は? | : | 認知症治療病棟での看護業務、身体介助、清掃業務、介護記録記入業務、活動を通じたコミュニケーション、レクリエーション、心身機能の維持・向上支援、訓練の介助などを行います。 |
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資 格 概 要
受験資格
●認知症ケア上級専門士
(以下、各項の条件を全て満たす必要があります。)
- 認知症ケア専門士としての経験を3年以上有していること。
- 試験実施年の3月31日より過去5年間において、上級専門士制度規則施行細則上級専門士の受験資格単位に関する事項にある領域T〜Vより30単位以上を取得※1していること。
- 上級専門士研修会※2を修了していること。ただし,有効期間は研修会修了日より5年間とする。
- 受験申請期間の最終日までに、次の各号に定める条件のうちいずれか1つ以上を満たしていること。ただし,試験実施年の3月31日より過去5年以上前および専門士資格取得以前の演題発表、事例報告、論文・事例発表は含まない。
- 認知症ケア上級専門士制度規則にある学術集会、地域部会研修会等での演題発表ならびに事例報告(筆頭者のみ)
- 認知症ケア上級専門士制度規則にある、査読制度のある機関誌等での論文・事例発表(筆頭者のみ)
- (※1) 詳しくは認知症ケア上級専門士制度規則施行細則 上級専門士の受験資格単位に関する事項をご覧下さい。
- (※2) 詳しくは上級専門士研修会をご覧下さい。
●認知症ケア専門士
□1次試験
認知症ケアに関連する施設、団体、機関等において、受験年の3月31日より過去10年間において3年以上の認知症ケアの実務経験(教育・研究・診療を含む)を有する者。
- 認知症ケアの実務経験を証明する施設、団体、機関等は、認知症専門である必要はありません。また、職種や職務内容についても、認知症ケアに携わっている限り制限はありません。
- 介護福祉士や介護支援専門員等、資格の有無にかかわらず受験が可能です。
- 介護福祉士や介護支援専門員等、有資格者であっても認知症ケア実務経験証明書の提出が必要となります。
- ボランティア活動、実習等は、認知症ケアの実務経験に含まれません。
- 再受験者は過去の試験において発行された結果通知にて、合否および合格有効期限(各分野の合格の有効期間は5年間)を確認し、必要な分野の受験申請を行ってください。
□2次試験
- 第1次試験合格者(4分野すべてに合格した者※1)
- 認知症ケア実務経験3年以上※2を有する認知症ケア准専門士
- (※1) 各分野の合格の有効期間は5年間です
- (※2) 認知症ケアに関する施設・団体機関等において、試験が実施される年の3月31日から遡った過去10年間に3年以上の認知症ケアの実務経験があること。
●認知症ケア准専門士
- 受験年までに満18歳以上に達する者。
- 認知症ケアの実務経験※3がない者。
- (※3) 認知症ケアに関連する施設、団体、機関等において、試験実施年の3月31日より過去10年間に3年以上の勤務実績(教育・研究・診療を含む)をいう。
試験内容
●認知症ケア上級専門士(五者択一:50問/60分)
- ① 認知症ケアにおける倫理
- 専門職に求められる価値と倫理
- 先端医科学研究と倫理
- 医学における倫理
- 看護倫理
- 社会福祉・介護における倫理
- 人の尊厳と人権
- 倫理的課題とジレンマの状況
- 倫理的ジレンマを解決するための方法
- その他上記以外の関連領域
- ② 認知症ケアのためのケアマネジメント
- ケアマネジメント
- ケアマネジメントにおけるアセスメントの特徴
- 認知症の診断と治療
- 認知症の原因疾患別特徴
- アセスメントツール
- ICFの考え方
- アセスメントとケアプラン作成
- 事例
- その他上記以外の関連領域
- ③ 介護関係者のためのチームアプローチ
- チームアプローチの目的と意義
- チームの定義
- チームワークとチームメンバーの関係
- チームアプローチのための基礎理論
- チームの展開と発展
- チームマネジメント
- その他上記以外の関連領域
●認知症ケア専門士(五者択一:各分野50問/各分野60分)
□1次試験(20問)
- ① 認知症ケアの基礎
- 人の老いと認知症
- 認知症ケアの理念
- 認知症の人の推移と現状
- 認知症ケアの変遷と課題
- 認知症の医学的特徴
- 認知症の人の心理的特徴
- 認知症の人と社会的環境
- アセスメントすることの意義と視点
- 認知症のチームケアと担い手
- 認知症予防
- ② 認知症ケアの実際T
- 認知症ケアの原則と方向性
- 認知症ケアの倫理
- 認知症の人とのコミュニケーション
- 情報収集とアセスメントのためのツールの活用
- 認知症のアセスメント・ケアプランと実践
- 認知症の人への在宅支援
- 認知症の人への施設支援
- 認知症の人への医療支援
- 認知症の人と身体拘束・虐待
- 事例報告のまとめ方
- ③ 認知症ケアの実際U
- 認知症の医療とケア
- 認知症のケア技術の実際
- 認知症の行動・心理症状(BPSD)とそのケア
- 薬物療法の知識
- リハビリテーション
- 非薬物療法
- 施設・在宅における環境支援
- 認知症の人の終末期ケア
- ④ 認知症ケアにおける社会資源
- 認知症の人にとっての社会資源とは
- 認知症の人に対するフォーマルケア
- 認知症の人に対するインフォーマルケア
- 認知症の相談窓口
- 地域で認知症の人を支えるために
各分野の有効期限は5年間です。
5年間のうちに4分野全て合格で1次試験合格となります。
□2次試験
【論述】
- 認定委員会より出題される事例問題に対する論述
【面接】
- 6人を1グループとした面接(当日発表するテーマに則した,個々の1分間スピーチとディスカッション/約20分)
●認知症ケア准専門士(五者択一:各分野50問/各分野60分)
- ① 認知症ケアの基礎
- 認知症ケアの理念
- 認知症の人の現状
- 認知症の医学的特徴
- 認知症の人の心理的特徴
- 認知症の人を取り巻く社会的環境
- 認知症ケアの原理・原則
- ケアの担い手
- 認知症予防
- その他上記以外の関連領域
- ② 認知症ケアの実際 T総論
- 認知症ケアの視点と目標
- コミュニケーションスキル
- ケアの実践的プロセス
- 認知症ケアのアセスメント方法
- 家族への支援
- 認知症の人のチームアプローチ
- 認知症の人と身体拘束・虐待
- 認知症ケアにおける倫理
- 事例報告のまとめ方
- その他上記以外の関連領域
- ③ 認知症ケアの実際 U各論
- 身体的兆候の理解と対応
- 行動・心理症状(BPSD)とその対応
- 薬物療法の知識
- リハビリテーション
- 非薬物療法
- 施設・在宅における環境支援
- ターミナルケアのプロセスと対応
- その他上記以外の関連領域
- ④ 認知症ケアにおける社会資源
- 認知症の人にとっての社会資源
- 認知症の人に対するフォーマルケア
- 認知症の人に対するインフォーマルケア
- 認知症の相談窓口
- 地域での認知症の人の支援
- その他上記以外の関連領域
合格基準
●認知症ケア専門士
正答率70%以上で合格となります。
●認知症ケア専門士
□1次試験
各分野とも、70%以上の正答率で合格となります。
4分野すべての合格をもって、第1次試験合格となります
□2次試験(論述問題)
論述の評価により、次の5つの要件を満たした者を合格とします。
- ① 適切なアセスメントの視点を有している者
- ② 認知症を理解している者
- ③ 適切な介護計画を立てられる者
- ④ 制度および社会資源を理解している者
- ⑤ 認知症の人の倫理的課題を理解している者
●認知症ケア准専門士
各分野とも、70%以上の正答率で合格となります。
免除(科目等)について
●認知症ケア専門士
以下の条件をすべて満した認知症ケア准専門士が「認知症ケア専門士認定試験」を受験する場合、専門士試験の筆記試験(第1次試験)が免除されます。
- 認知症ケア准専門士の取得後5年以内であること(就学期間の免除規定あり)。
- 受験する年度の専門士試験の受験資格(前述の「認知症ケアの実務経験」※4を満たすこと。
- (※4) 認知症ケアに関連する施設、団体、機関等において、試験実施年の3月31日より過去10年間に3年以上の勤務実績(教育・研究・診療を含む)をいう。
願書申込み受付期間
●認知症ケア上級専門士
9月上旬〜下旬頃まで
●認知症ケア専門士
□1次試験
3月中旬〜4月上旬頃まで
□2次試験
8月下旬〜9月下旬頃まで
●認知症ケア准専門士
3月上旬〜4月上旬頃まで
試験日程
●認知症ケア上級専門士
12月上旬頃
●認知症ケア専門士
□1次試験
7月上旬頃
□2次試験
論述:8月下旬〜9月下旬頃までに提出
面接:12月上旬頃
●認知症ケア准専門士
7月上旬頃
受験地
●認知症ケア上級専門士
札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡
●認知症ケア専門士
□1次試験
札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡
□2次試験
札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡
●認知症ケア准専門士
札幌、仙台、東京、名古屋、京都、福岡
受験料
●認知症ケア上級専門士
10,000円
●認知症ケア専門士
□1次試験
各分野・・・・3,000円(4分野で12,000円)
□2次試験
8,000円
●認知症ケア准専門士
12,000円
合格発表日
●認知症ケア上級専門士
筆記試験の審査結果は、試験後2か月以内
認定料:15,000円が別途必要
●認知症ケア専門士
□1次試験
8月中旬頃
□2次試験
翌年1月中旬頃
認定料:15,000円が別途必要
●認知症ケア准専門士
8月中旬頃
合格後の更新について
●認知症ケア上級専門士
認知症ケア上級専門士としての資格更新は必要ありませんが「認知症ケア専門士」としての資格更新は必要となります。
更新については下記参照願います。
●認知症ケア専門士
認知症ケア専門士の有効期間は5年間です。
更新するためには、認定期間中(5年間)に、認定委員会が定める領域より30単位※5以上を取得した上で、更新申請期間中に、更新料:10,000円の支払い(郵便局)を済ませ、「資格更新申請等に必要な書類」を団体宛に送付することで更新できます。
更新申請期間までに単位数が30単位に満たない場合は、資格が消失します。
ただし、単位数が満たない者は、更新申請期間中に更新の保留(1年間のみ)を申請することができます。また、長期の病気療養や研究のための海外留学等、止むを得ない事情がある場合は、それを証明する書類を提出することで保留期間の延長ができます。
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